当社の需給マッチングモデルやその基盤となる特許について、認知度の低さや目的への誤解を思い知る出来事がありましたので、その時のエピソードを交えて当モデルおよび特許の概念と目的についてご紹介します。
ある大手Sierに需給マッチングモデルと特許の紹介をする機会をいただいた時のことです。
当社の理念や需給マッチングモデルの概要、計画中のサービスモデルや保有特許についてひとしきり說明を終えた時のことです。
役員の方から驚きの発言がありました。
「失礼だけれど、これはサブマリン特許ではないのですか!?」
一瞬言葉を失いました。
日本では1971年に出願公開制度が導入されており、潜伏など出来るわけがないためです。
しかしすぐに気を取り直しました。
大手Sierの役員ともあろう方がそのようなことを知らないはずがないからです。
そして、これは当特許の強さと有効性に対する驚きと評価の現れなのだということに気付きました。
このことによって、面談前半に感じていた強い警戒感の理由もわかりました。
今回の訪問の目的が、このSierが展開するサービスに対する権利侵害の交渉だと思われているのではないか?ということです。
あくまでも想像の域を出ませんが、そう考えれば、冒頭の強い警戒感も納得できます。
そこですぐに、敵対的な交渉に来たのではなく、当社サービスモデルおよび特許の純粋な紹介であること、そして当サービスモデルがキャズムを越えるまでには相当の時間を要すると思われるため、その間の特許の有効利用の可能性について相談したかったことを說明しました。
この說明で一気に場の雰囲気が明るくなり、当サービスモデルとの協業や特許の共同利用について継続的に検討することで話がまとまるという非常に良い結果で終えることができました。
とは言えこのような誤解を招いたのは、これほどまでに広い権利範囲を持つ特許について、サブマリン特許と言わしめるほど認知度が低かったためであり、偏に認知度向上のための努力が足りなかったことに他ならないと、強く反省しました。
この反省に立ち、当モデルの原点となる7年前の概念図を用いることで、その本質をよりシンプルにお伝えしようと考えました。
以下は、利用者が需要や供給に関する情報を得ようとした時の、
通常検索と需給マッチングモデルとの態様を比較した概念図です。
インターネット上の需要や供給に関する情報を通常検索で収集しようとした場合、種々雑多な情報の中から自分で選別をする必要があります。
また、その時点で目的の情報が見つからなかった場合は、時間をおいて再度検索する必要があります。
これに対し需給マッチングモデルでは、
1.需給要素を含む情報をWebやSNSから自動収集し
2.商品やサービスの仕様や時期および場所等を自動補完することで需給情報として蓄積し
3.需要者会員や供給者会員がマッチングシステムに登録した需給要件を元に需給リクエストを生成して登録し
4.蓄積した外部需給情報および需給リクエストの需要情報と供給情報をマッチングし
5.需要者と供給者それぞれの要求に適合する相手情報や関連のおすすめ情報を双方に配信する
ことによって、需給要件を登録しておけばその時に目的の情報が見つからなかった場合でも待っているだけでよいのです。
また、需給要件を登録する際のインターフェイスをスケジューラとすることで、さらに効率化な利用が可能となります。
3.需要者会員や供給者会員がスケジューラに登録したスケジュールイベントを元に需給リクエストを生成して登録し
4.蓄積した外部需給情報および需給リクエストの需要情報と供給情報をマッチングし
5.需要者と供給者それぞれの要求に適合する相手情報や関連のおすすめ情報をスケジューラに配信する
ことによって、需給要件をスケジュールイベントとして登録しておけばその時に目的の情報が見つからなかった場合でも待っているだけでよく、条件に変更があった場合でもスケジュールイベントを修正するだけですので重複作業の必要がありません。
これを表したのが以下のイラストです。
ここでは、旅行に関する情報を収集する様子を、通常検索で行なった場合と需給マッチングで行なった場合の比較をしています。
通常検索では様々な情報を個別に検索するため重複作業が多く発生する上に、予定変更があった場合には同じ作業をやり直す必要が多く発生するため大変非効率です。
これに対し需給マッチングではスケジューラに必要な要件を登録しておくだけでスケジュールイベントで必要となる情報を自動収集するため手間がかからない上に、予定変更があってもスケジュールを修正するだけでよいため大変効率的であることがわかります。
いかがでしょうか?
あなたに必要な労力は、スケジューラに対して今までよりほんの少しだけ、はっきりとした目的を入れることだけです!
以上が、需給マッチングモデル発案時点に立ち返って改めて構成した、大元となる概念のご案内です。
需給マッチングに関する特許は日本や外国で複数登録されていますが、それら特許およびこれに基づくサービスモデルの提供によって目指すところは、時間軸を必須要件とするあらゆる取引における機会均等と効率化です。
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